About

ちりめん細工は、江戸時代から明治時代にかけ、着物などに使った縮緬の小さな残り裂を縫い合わせて、花・動物・人形・袋物などを作るもので、手のひらにのるほどの大きさながら多くのものが袋になっています。
日本玩具博物館は、ちりめん細工が日本の女性の美意識や造型感覚を表現し、手の技を伝える芸術品として考え、1986年より復興と伝承に本格的に取り組んできました。
古作品や復元品の展示を開催後、1989年には、「ちりめん細工研究会」を組織し、資料を共有し、文献や古作品の復元を行いました。ちりめん細工の技術の伝承と質の向上を図り、会員は遠く、東北・関東・中部・四国・九州などからも参加されています。
普及のために、型紙や作り方などの解説書の必要性を感じ、1991年に『裁縫お細工物』(明治45年)を自費出版し、大きな反響を呼びました。その後もNHK出版や日本ヴォーグ社など十数冊以上もの出版活動を通して、型紙や作り方を発表し公開しています。
また、展示活動では、たばこと塩の博物館(東京)や佐野美術館(静岡)、日本絹の里(群馬)などの他館においても、江戸時代や明治時代の古作品、現代によみがえった復元作品を展示し、創作品を発表しています。
しかし、ちりめん細工の愛好者が増えるにつれ、材料である古布の入手が難しくなりました。ちりめん細工に古布が使われるのは、薄くて伸縮性があり、風合いも良かったからです。そこで、1996年頃から明治時代に制作され昭和に入ると制作されなくなっていた「二越縮緬」を約3年弱かけて特別にちりめん細工用として復元し、明治の型友禅の再現にも取り組みました。
その後、2002年から、薄くて伸縮性のある「二越縮緬」を『古風江戸縮緬(こふうえどちりめん)』と名づけて、見本帳を作成し、ミュージアムショップからオリジナル製品としてお分けしています。この復刻しました『古風江戸ちりめん』(約250点)を皆様が喜んでいただき、お役に立てれば幸いです。
日本玩具博物館の「ちりめん細工」ブランドサイトは下記のURLになります。ご覧いただければ幸いです。
https://chirimenzaiku.org